現場で塗装仕様書を見ていると、塗装色のマンセル番号やマンセル値という表記を見かけることがあります。マンセル番号の読み方がよく分からない、日塗工番号との違いが分からない、塗料色番号との対応はどう考えればいいのか…こういった疑問を持つ方も多いかなと思います。
特に若手施工管理の方だと、マンセル表色系や色相・明度・彩度といった色彩の基本、分光測色計による色測定方法、色差ΔEの許容範囲などは、実務で急に出てきて戸惑うこともあります。ここ、気になりますよね。
こんにちは、たかしんです。施工管理として15年、工程管理・安全管理を中心に現場を担当し、1級建築施工管理技士として多くの現場を見てきました。
この記事では、塗装工事の現場管理をしてきた立場から、塗装色におけるマンセル番号の意味や読み方、日塗工番号との違い、実務での色確認の考え方まで、現場目線で分かりやすく解説していきます。
- 塗装色で使われるマンセル番号の基本が理解できる
- マンセル番号の読み方と色相・明度・彩度の意味が分かる
- 日塗工番号や塗料色番号との違いが分かる
- 色測定や色差ΔEなど現場での色管理の考え方が分かる
目次
塗装色のマンセル番号とは?基礎知識と仕組み
引用元:一般社団法人日本塗料工業会
まずは、塗装色でよく出てくるマンセル番号の基本から整理していきます。ここを理解しておくと、仕様書や色見本帳を読むときの理解度がかなり上がります。
マンセル表色系とは何か
マンセル表色系とは、色を体系的に整理するための色の表し方で、アメリカの画家アルバート・マンセルによって考案された色彩システムです。
この表色系では、色を次の3つの要素で表現します。
- 色相(Hue)
- 明度(Value)
- 彩度(Chroma)
この3つを組み合わせることで、色を数値として表現することができます。塗装や建築の分野では、色を客観的に指定するためにマンセル表色系がよく使われます。
日本の塗料業界では、日本塗料工業会が発行する標準色見本帳にもマンセル値が付与されており、塗装色の基準として参考にされることが多いです。
マンセル値はあくまで色の目安です。実際の塗料の色は、顔料や光沢、塗装条件などで変化するため、完全に一致するとは限りません。
マンセル番号の読み方とH V C表記
マンセル番号は、基本的にH V/Cという形式で表記されます。
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| H(Hue) | 色相 |
| V(Value) | 明度 |
| C(Chroma) | 彩度 |
例えば、次のような表記があります。
5R 4/14
これは以下の意味になります。
- 5R → 赤系の色相
- 4 → 明度4(やや暗め)
- 14 → 彩度14(かなり鮮やか)
つまり、やや暗めで鮮やかな赤色というイメージの色になります。
また、グレーなどの無彩色の場合は次のように表記されます。
N 7.5/
これは明度7.5のグレーという意味です。
マンセル色相明度彩度の意味
マンセル表色系を理解するうえで、色相・明度・彩度の意味は押さえておきたいポイントです。
色相(Hue)
色相は、いわゆる色味の種類です。マンセルでは次の10種類が基本になります。
| 色相 | 色 |
|---|---|
| R | 赤 |
| YR | 黄赤 |
| Y | 黄 |
| GY | 緑黄 |
| G | 緑 |
| BG | 青緑 |
| B | 青 |
| PB | 青紫 |
| P | 紫 |
| RP | 赤紫 |
明度(Value)
明度は色の明るさです。0が黒、10が白になります。
彩度(Chroma)
彩度は色の鮮やかさを表します。数値が高いほど鮮やかになります。
この3つの組み合わせで色を数値化しているのがマンセル表色系です。
塗装色で使うマンセル値の考え方
建築や塗装の現場では、マンセル値は色の基準や参考値として扱われることが多いです。
ただし、ここで重要なのは次の点です。
マンセル値と実際の塗料色は完全一致するとは限りません。
理由はいくつかあります。
- 塗料の顔料構成
- 艶あり・艶消しなどの光沢
- 下地の色
- 塗膜厚
たとえば同じ色でも、艶あり塗料だと鮮やかに見えますし、艶消しだと少し落ち着いた色に見えることがあります。
そのため現場では、色見本や試し塗りで最終確認することが大切です。
マンセル色見本と標準色の関係
塗装分野では、マンセル色見本そのものよりも日塗工の標準色が使われることが多いです。
日本塗料工業会の標準色見本帳には、それぞれの色にマンセル値が付与されています。
つまり、実務では次の流れになることが多いです。
- 日塗工番号で色を指定
- 対応するマンセル値を参考にする
- 最終的には塗料メーカーの色見本で確認
施工管理としては、色番号と色見本をセットで確認するクセをつけておくとトラブル防止になります。
塗装色のマンセル番号と塗料色の実務
ここからは、実際の塗装工事でどう使われるのか、現場目線で解説していきます。特に若手施工管理の方が混乱しやすい部分です。
日塗工番号とマンセル値の違い
まず整理しておきたいのが、日塗工番号とマンセル値は別のものという点です。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| マンセル値 | 色を数値で表した色彩体系 |
| 日塗工番号 | 塗料業界の標準色番号 |
日塗工番号の内部には、実は色相・明度・彩度の区分が含まれていて、そこからマンセル値が導かれます。
ただし実務では、マンセル値よりも日塗工番号で色指定するケースが圧倒的に多いです。
塗料色番号とマンセル対応の仕組み
塗料メーカーには、それぞれ独自の色番号があります。
例えば次のようなものです。
- 日本ペイント標準色
- 関西ペイント標準色
- SK化研標準色
これらにはマンセル値が近似値として記載されていることがあります。
メーカーによってはマンセル値指定での調色注文を受け付けていない場合もあります。
理由は、マンセル値だけでは塗料の色を完全に再現できないためです。
そのため実務では次のような流れになります。
- 日塗工番号やメーカー色で指定
- 色見本帳で確認
- 必要に応じて調色
分光測色計による色測定方法
色を客観的に測定する場合は、分光測色計を使用します。
測定は一般的に、次の条件で行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 光源 | D65標準光源 |
| 色空間 | L*a*b* |
| 測定方法 | 45°/0°または積分球 |
この測定結果から、基準色との違いを色差ΔEとして計算します。
色差ΔE基準と許容範囲
塗装工事では、色差ΔEを使って色の違いを評価します。
一般的な塗装業界の目安
- ΔE 1以下:ほぼ同じ色
- ΔE 2〜3:実務上許容範囲
ただし、この数値はあくまで一般的な目安です。製品や仕様によって基準は変わることがあります。
正確な基準は仕様書やメーカー資料を確認し、最終的な判断は専門家やメーカー担当者に相談することをおすすめします。
▲塗装色マンセル番号の理解まとめ
最後に、塗装色マンセル番号について重要なポイントを整理します。
- マンセル番号は色相・明度・彩度で色を表す
- 実務では日塗工番号やメーカー色が中心
- マンセル値は参考値として扱う
- 最終確認は色見本や試し塗りが重要
施工管理として覚えておきたいのは、色番号だけで判断せず、必ず色見本で確認するということです。
塗装色は、光沢・下地・塗膜厚などで見え方が変わります。トラブルを防ぐためにも、色見本確認や試し塗りを現場でしっかり行うことが大切です。
また、色仕様や色差基準はプロジェクトごとに異なる場合があります。正確な情報はメーカーや公式資料を確認し、必要に応じて専門家へ相談するようにしてください。
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