世界で一番砂糖を使っている国は？ その理由は人口と文化にあり！

「砂糖」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか？甘くて美味しいお菓子の材料、料理の味付けに欠かせない調味料、それとも健康が気になる存在でしょうか。私たちの食生活に深く根ざしている砂糖ですが、世界では一体どこが一番多く消費しているのか、考えたことはありますか？もしかしたら、想像もしなかった国がトップに君臨しているかもしれません。

今回は、世界の砂糖消費量に関する興味深いデータをもとに、「世界で一番砂糖を使っている国はどこなのか？そして、その理由は何なのか？」という疑問に迫ります。意外な事実と、各国の文化や人口動態が織りなす消費の背景を深掘りしていきましょう。

世界で一番砂糖を使っている国は？ その驚きの消費量と背景

世界で最も砂糖を消費する国はインドです。これは複数の測定方法により確認されています。

インドが誇る圧倒的な総消費量

最新の統計データによると、インドの砂糖消費量は圧倒的に世界一となっています。2024/25年度のデータでは、インドが29,000千メートルトン（2,900万トン）を消費しており、これは第2位のEU（27カ国）の約1.9倍に相当する膨大な量です。この数字を見た時、正直なところ「そんなに！？」と驚きました。普段の生活で意識することは少ないですが、これだけの量が消費されていると考えると、食文化の奥深さを感じますね。

最新データ（2024/25年度）

• インド: 29,000千メートルトン（2,900万トン）Foreign Agricultural Service/USDA
• EU（27カ国）: 15,500千メートルトン（1,550万トン）
• アメリカ合衆国: 11,471千メートルトン（1147万トン）
• 中国: 11,022千メートルトン（1,102万トン）
• ブラジル: 7,600千メートルトン（760万トン）

なぜインドが世界一なのか？ 人口と文化が織りなす背景

インドの砂糖消費量が多い背景には、主に二つの要因があります。一つは人口要因。インドは世界最大の人口を誇り（約14億人）、この巨大な人口基盤が総消費量の多さの主要因となっています。農林水産省（MAFF）によると、「インドは世界で最も砂糖を消費している国でもあり、生産量と消費量がほぼ同じくらいです」。

もう一つは文化的・宗教的背景です。砂糖の発祥地とされるインドでは、伝統的に砂糖が重要な食材として位置づけられており、宗教的祭礼や日常の食事において砂糖の使用が一般的です。お菓子や飲み物だけでなく、料理にも砂糖が使われることが多いと聞きます。食文化が消費量に大きく影響しているのは、とても興味深い点だと感じました。

今後の予測：さらに広がるインドの砂糖消費

インド砂糖・バイオエネルギー製造業者協会（ISMA）の予測では、2024-25年度のインドの砂糖消費量は2,800万トンとされています。また、USDA外国農業サービスは2025/26年度には3,100万トン（前年比5%増）まで拡大すると予測しています。このペースで増え続けると、さらに世界との差が開いていくのかもしれません。

世界で一番砂糖を使っている国は？ 一人当たり消費量から見る意外な側面

総消費量でインドが世界一であることは分かりましたが、一人当たりの消費量ではどうでしょうか？ ここに意外な事実が隠されています。

一人当たり消費量で見る、国ごとの砂糖事情

興味深いことに、一人当たりの砂糖消費量では異なる結果となります。

一人当たり日次消費量ランキング（2025年）

• アメリカ合衆国: 126.4g/日 World Atlas
• ドイツ: 102.9g/日
• オランダ: 102.5g/日
• アイルランド: 96.7g/日
• オーストラリア: 95.6g/日

一人当たり年間消費量（2023年）

• マレーシア: 55.9kg/年
• ブラジル: 51.1kg/年
• キューバ: 43.0kg/年
• ニュージーランド: 41.7kg/年
• オーストラリア: 41.3kg/年

この比較において、インドは19.9kg/年（世界平均22.1kg/年を下回る）となっています。総消費量では圧倒的なインドですが、一人当たりで見ると世界平均を下回っているのは驚きです。これは、やはり人口が多いことが総消費量を押し上げている主な理由だと改めて実感させられます。

世界全体の砂糖消費トレンドと今後の展望

世界全体の砂糖消費量も見てみましょう。

• 2023/24年度（実績）: 176.1百万トン
• 2024/25年度（予測）: 177.8百万トン（前年比1.0%増）
• 世界平均一人当たり消費量: 21.8kg/年

FAOの統計によると、世界の砂糖消費は継続的な成長を続けており、2025年には推定1億7733万トンに達する見込みです。世界的に砂糖の消費が増加傾向にあるのは、食の多様化や経済発展と関連しているのかもしれませんね。

よくある質問（FAQ）

Q1: なぜインドは一人当たり消費量が世界平均以下なのに総消費量が世界一なのですか？

A: これは人口規模の違いによる統計的現象です。インドの人口14億4,170万人で一人当たり18.7kg/年の消費でも、総消費量は約2,700万トンとなります。一方、マレーシア（一人当たり55.9kg/年）の人口は約3,300万人のため、総消費量はインドより大幅に少なくなります。

Q2: 砂糖消費量の多い国では健康問題が深刻化していますか？

A: WHO推奨基準を大幅に超過している国では、糖尿病や肥満率との相関が見られます。ただし、各国の医療制度、運動習慣、全体的な食生活パターンの違いも考慮する必要があり、砂糖消費量だけで健康状態を判断することはできません。

Q3: 砂糖の代替甘味料の普及は消費量に影響していますか？

A: 先進国では人工甘味料や天然代替甘味料（ステビア、エリスリトールなど）の普及により、砂糖消費の伸び率が鈍化しています。しかし、発展途上国では経済成長に伴い依然として増加傾向が続いており、世界全体では微増が継続しています。

Q4: 砂糖価格の変動は消費量にどの程度影響しますか？

A: 砂糖は比較的価格弾力性が低い商品（必需品に近い性質）ですが、大幅な価格上昇時には代替品への移行や消費抑制が見られます。特に低所得国では価格変動の影響がより顕著に現れる傾向があります。

Q5: 今後の世界の砂糖消費はどのように変化すると予測されますか？

A: FAOの予測によると、世界人口の増加と新興国の経済発展により、2030年まで年率1-2%の成長が続くと見込まれています。ただし、健康志向の高まりと代替甘味料の普及により、先進国では横ばいまたは微減となる可能性があります。

まとめ

総消費量の観点では、インドが圧倒的な世界第1位の砂糖消費国です。これは主に巨大な人口規模によるものですが、砂糖発祥の地としての文化的背景も重要な要素となっています。

一方、一人当たり消費量では、アメリカ合衆国やマレーシアなどの国々が上位を占めており、個人レベルでの砂糖摂取パターンは国により大きく異なることが分かります。

インドの砂糖消費は今後も人口増加と経済発展に伴い拡大が予想されており、世界最大の砂糖消費国としての地位は当分続くと考えられます。

参考資料・出典