「いびきがひどいから枕を変えてみたけれど、全然よくならない…」そんなお悩みを抱えていませんか。
実はいびきは、枕だけでは改善しないケースが多く、体の状態や生活習慣が深く関わっています。
本記事では、枕を替えてもいびきが続く人に共通する特徴や、いびきが生じる仕組みをわかりやすく解説します。
さらに、体型・年齢による変化、横向き寝でも止まらない理由、睡眠の質への影響、簡単にできるセルフチェックまでご紹介。
また、鼻づまりや口呼吸、睡眠時無呼吸の可能性、飲酒や喫煙などの生活習慣、そして自宅でできる対策や病院を受診すべきタイミングについても触れていきます。
「枕のせい」と思っていたいびきの本当の原因を、一緒に探っていきましょう。
目次
いびきは枕を変えても改善しないのはなぜか?今すぐ見直すべき原因と対策

いびき対策として枕を変えてみたのに、まったく良くならないと感じているなら、原因が「枕以外」にある可能性が高いです。
いびきは、鼻や喉、舌の位置、体型、生活習慣などさまざまな要因が複雑に絡み合って起こるため、枕だけでは根本改善に届かないケースが少なくありません。
ここでは、枕を変えてもいびきが続く人の共通点や、体の仕組みによる原因を分かりやすく解説し、どのような対策を取ればよいのか具体的に見ていきます。
枕を変えてもいびきが続く人の共通点
枕を何度も買い替えてもいびきが続く人には、いくつかの共通点があります。
それは、いびきの原因が「首の角度」や「頭の高さ」といった枕の問題だけでなく、体の内部要因に強く関係している場合が多いからです。
例えば、太り気味で首まわりに脂肪がついている人、慢性的な鼻づまりがある人、口呼吸が当たり前になっている人、寝酒の習慣がある人などは、枕を変えてもいびきが続きやすい傾向があります。
いびきの主な原因と仕組み
いびきは、睡眠中に空気の通り道である「上気道」が狭くなり、そこを空気が通るときに粘膜や周囲の組織が振動することで発生します。
上気道が狭くなる原因には、舌が喉の奥に落ち込む、口呼吸で喉が乾いて炎症が起きる、鼻づまりで鼻から空気が入りにくい、肥満などで首まわりの脂肪が増えている、などがあります。
つまり、いびきは単なる音ではなく、「呼吸がしにくくなっているサイン」であり、ときに睡眠時無呼吸といった重大な疾患が隠れている可能性もあるため、軽視しないことが重要です。
枕で改善するいびきと改善しないいびきの違い
枕の高さや形状を変えることで改善しやすいのは、「あお向け寝で首が反りすぎている」「顎が引けすぎて気道がつぶれている」といった、姿勢に由来するタイプのいびきです。
一方で、肥満、アレルギー性鼻炎、扁桃肥大、加齢による筋力低下、睡眠時無呼吸などが背景にある場合は、枕を調整してもいびきが大きく改善しないことが少なくありません。
自分のいびきがどちらのタイプに近いのかを見極めることが、効果的な対策を選ぶための第一歩になります。
| タイプ | 枕で改善しやすい例 | 枕だけでは改善しにくい例 |
|---|---|---|
| 原因 | 首の角度、頭の位置、寝姿勢 | 肥満、鼻疾患、筋力低下、無呼吸 |
| 特徴 | 枕を変えるといびきが軽くなる | どの枕でもいびきが大きく変わらない |
| 対策 | 高さ調整枕、寝姿勢の改善 | 減量、治療、トレーニングなど総合対策 |
横向き寝でもいびきが止まらない理由
一般的に「横向きで寝るといびきが軽くなる」といわれますが、それでもいびきが止まらない人は、気道の狭さがより深刻になっている可能性があります。
舌や軟口蓋のたるみが大きい、扁桃腺やアデノイドが肥大している、肥満で首回りの脂肪が多い、あるいは睡眠時無呼吸症候群まで進行しているケースでは、体勢を変えても十分なスペースが確保できないのです。
横向き寝で改善しない場合は、単なる寝方の工夫にとどまらず、医療機関で詳しく検査し、適切な治療や対策を検討する必要があります。
体型や年齢によるいびきの変化

いびきは、体型や年齢の変化に大きく影響されます。
体重が増えて首や顎まわりに脂肪がつくと、気道が物理的に圧迫されやすくなり、以前はいびきをかかなかった人でも突然いびきが出るようになることがあります。
また、加齢とともに喉や舌の筋力が低下し、組織がたるんでしまうことで、特に中年以降でいびきが悪化しやすくなります。
若いころと同じ生活や枕を使っていても、「年齢」「体型」の変化が重なることで、いびきの質や頻度が変わる点を意識しておくことが大切です。
いびきが睡眠の質に与える影響
いびきが続くと、本人が気づかないうちに睡眠の質が大きく低下していることがあります。
いびきをかいている間は、気道が狭くなって呼吸が不安定になり、浅い眠りや途中覚醒が増え、深いノンレム睡眠が十分に得られにくくなるためです。
- 朝起きても疲れが取れない・頭が重い
- 日中の強い眠気や集中力の低下
- 血圧上昇や心血管リスクの増加
- ホルモンバランスの乱れによる太りやすさ
このように、いびきは単なる「音の問題」ではなく、全身の健康や日常のパフォーマンスに直結する睡眠障害の一つとして向き合う必要があります。
今すぐできる簡単ないびきセルフチェック
いびきの深刻度を知るためには、まず自分の状態を客観的に把握することが重要です。
家族にいびきの頻度や音の大きさ、息が止まっているように見える瞬間があるかを聞いたり、スマホアプリや録音機能で睡眠中の音を記録すると、状況を把握しやすくなります。
いびきの時間が長い、呼吸が止まって再開するときに大きないびきをかく、朝の頭痛や強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸などの可能性も疑われるため、早めに専門医への受診を検討しましょう。
いびきが枕を変えても改善しないときに疑うべき体の問題

枕を替えてもいびきが良くならない場合、その裏には「鼻」「喉」「舌」など身体の構造や機能に関わる問題が隠れていることが多くあります。
特に、鼻づまりや口呼吸のクセ、睡眠時無呼吸症候群は、放置すると生活習慣病や心疾患リスクの上昇につながることもあるため注意が必要です。
ここでは、いびきと関連が深い代表的な体の問題について、どのような状態が危険サインとなるのか、セルフチェックのポイントも交えながら解説していきます。
鼻づまりが続く場合のいびき
慢性的な鼻づまりがあると、鼻から十分な空気を取り込めず、自然と口呼吸になりやすくなります。
口から空気を吸うと喉が乾燥しやすく、粘膜の炎症やむくみを招き、気道がさらに狭くなっていびきが悪化するという悪循環に陥ります。
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲などがある場合、枕をどれだけ調整してもいびきが改善しにくいため、耳鼻咽喉科で原因を特定し、薬物療法や必要に応じて手術治療を検討することが重要です。
口呼吸がクセになっている場合のいびき
日頃から口呼吸がクセになっている人は、睡眠中も高い確率で口呼吸となり、いびきをかきやすくなります。
口呼吸は舌の位置が下がりやすく、気道のスペースを狭めるうえ、口腔内の乾燥や細菌繁殖を招き、口臭や虫歯、歯周病などのリスクも高めます。
- 日中も口が半開きになりやすい
- 唇が乾燥しやすく、朝起きると喉が痛い
- 鼻で深く息を吸うと苦しさや詰まりを感じる
- 前かがみ姿勢や猫背で過ごすことが多い
これらに当てはまる場合は、鼻づまりの改善とあわせて、口テープや舌の位置トレーニングなどで「鼻呼吸」を習慣化していくことが有効です。
睡眠時無呼吸が隠れている可能性
大きないびきとともに、睡眠中に呼吸が止まる状態を繰り返すのが、睡眠時無呼吸症候群の特徴です。
10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上みられる場合に診断され、重症度が高いほど心筋梗塞や脳卒中、高血圧、糖尿病などのリスクが上がることが知られています。
| サイン | 具体的な症状 |
|---|---|
| 睡眠中 | 呼吸が止まる、大きないびき、あえぐような呼吸 |
| 起床時 | 強い眠気、頭痛、熟睡感がない |
| 日中 | 集中力低下、倦怠感、居眠り |
枕を変えてもいびきが大きい、家族から「息が止まっている」と指摘される場合は、速やかに睡眠外来や耳鼻咽喉科で検査を受けることが勧められます。
枕以外でいびきを悪化させる生活習慣
いびきは、枕や寝姿勢といった睡眠環境だけでなく、日々の生活習慣によっても大きく左右されます。
特に、飲酒や喫煙、寝る前の過ごし方は、喉や舌の筋肉の状態、気道の炎症、睡眠の深さに直接影響し、いびきを悪化させる要因として知られています。
ここでは、見落としがちな生活習慣といびきの関係を確認し、どのような点を見直せばいびき悪化を防げるのかを具体的に解説していきます。
飲酒がいびきに与える影響
アルコールには筋肉をゆるめる作用があり、寝る前にお酒を飲むと、舌や喉の筋肉が弛緩して気道が狭くなりやすくなります。
その結果、普段はいびきをかかない人でも、飲酒した夜だけいびきをかいたり、もともといびきがある人は音が大きくなったり、無呼吸の回数が増えることがあります。
また、アルコールは睡眠の前半に深い眠りを増やす一方で、後半に浅い眠りや中途覚醒を増やすため、トータルの睡眠の質を下げ、日中の眠気や疲労感につながる点にも注意が必要です。
喫煙がいびきに及ぼすリスク

喫煙は、鼻や喉の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、むくみや分泌物の増加によって気道を狭くし、いびきを悪化させます。
また、受動喫煙も同様に影響するため、家族や同居人のタバコが原因で子どものいびきが増えるケースも指摘されています。
| 喫煙の影響 | いびきへの具体的な影響 |
|---|---|
| 粘膜の炎症 | 鼻づまりや喉の腫れにより気道が狭くなる |
| 分泌物の増加 | 痰や鼻水が増え、呼吸抵抗が高まる |
| 慢性気道疾患 | 慢性気管支炎やCOPDにつながるリスク |
禁煙や本数を減らすだけでもいびきの軽減につながることが多いため、いびき対策の一環としてタバコとの付き合い方を見直すことが重要です。
寝る前の行動がいびきを招くパターン
寝る前の過ごし方によっても、いびきが出やすくなったり、悪化したりします。
特に、寝る直前の食事や飲酒、長時間のスマホやパソコン、熱いお風呂などは、自律神経や血流、体温に影響し、睡眠の質を乱していびきを助長することがあります。
- 就寝2~3時間前の重い食事やたくさんの水分摂取
- 寝酒としてのアルコール摂取
- ベッドに入ってからの長時間のスマホ操作
- 就寝直前の激しい運動や熱い入浴
これらの習慣を見直し、就寝前はからだと呼吸を落ち着かせる時間を意識的に作ることで、いびきの軽減や睡眠の質向上につながります。
いびきが枕を変えても改善しない場合の具体的な対処法
枕を工夫してもいびきが良くならないときは、「グッズ」「トレーニング」「医療機関の活用」の三つの方向から、現実的な対策を組み合わせていくことが有効です。
市販のいびき対策グッズを正しく選び、舌や喉の筋力を鍛えることで、気道を広げやすい状態を作ることができます。
さらに、症状が重い場合や自己対策に限界を感じる場合には、病院での検査や治療を検討することで、根本原因にアプローチしていきます。
自宅でできるいびき対策グッズの選び方
いびき対策グッズは種類が多く、目的に合わないものを選んでしまうと効果を感じにくくなります。
自分のいびきの原因が「鼻づまり型」「口呼吸型」「舌の落ち込み型」など、どのタイプに近いかを意識して選ぶことが大切です。
- 鼻づまりがある人:鼻孔拡張テープ、鼻腔拡張器具
- 口呼吸が多い人:口テープ、マウスピース、顎サポーター
- 舌が落ちやすい人:舌保持装置、舌トレーニング器具
- 姿勢が原因の人:横向き寝クッション、体位変換グッズ
いずれも、過信しすぎず「補助的な対策」として利用し、合わないと感じた場合は無理に続けないこともポイントです。
舌や喉を鍛えるトレーニング方法

舌や喉の筋力が低下していると、睡眠中に舌が喉の奥へ落ち込みやすくなり、気道が狭くなっていびきの原因となります。
日中に簡単なトレーニングをコツコツ続けることで、筋肉を引き締め、いびきを軽減できる可能性があります。
| トレーニング名 | 方法 |
|---|---|
| 舌出し運動 | 舌をまっすぐ前に突き出し、数秒キープして戻す動きを10〜20回繰り返す |
| 舌上げ運動 | 舌先を上顎の前歯の裏に当て、上顎をなぞるように奥へ押し付ける |
| あいうべ体操 | 「あ」「い」「う」「べ」と大きく口を動かしながら発音する |
これらの運動は入浴中やテレビを見ながらでも行えるため、毎日の習慣に取り入れると、数週間〜数カ月で変化を感じる人もいます。
病院で相談すべきタイミングと診療科
いびきが大きい、枕を変えても全く改善しない、日中の眠気が強いといった場合は、自己判断だけで放置せず医療機関に相談することが重要です。
まずは耳鼻咽喉科で、鼻や喉の構造的な問題(鼻づまり、扁桃肥大、鼻中隔湾曲など)がないかを確認し、必要に応じて睡眠時無呼吸の検査が可能な「睡眠外来」や「呼吸器内科」「循環器内科」へ紹介されることもあります。
特に、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を合併している場合は、早めに専門的な検査と治療を受けることで、将来的な健康リスクを大きく減らすことが期待できます。
まとめ
いびきが枕だけでは改善しないと分かったら、「生活習慣の見直し」「体のケア」「専門医への相談」を段階的に進める行動プランを立てることが重要です。
具体的には、まず飲酒や喫煙、就寝前の過ごし方を整え、同時に体重管理や舌・喉のトレーニング、いびき対策グッズを組み合わせて様子を見ます。
それでも大きないびきや日中の強い眠気、無呼吸の疑いが続く場合は、早めに耳鼻咽喉科や睡眠外来を受診し、客観的な検査結果をもとに、自分に合った治療や対策を長期的な視点で選択していくことが現実的な一歩となります。

