2024年末のRIZIN.49で元大相撲力士を1ラウンドKO。わずか15秒でプロデビュー戦を飾り、現在プロ3連勝全KO/TKOという圧倒的な戦績を誇るエドポロキング選手。格闘技界に突如現れたこの超新星は、一体何者なのか?その驚異的なフィジカル、異色の経歴、そして未来への可能性まで、徹底的に解説します。
目次
エドポロキング選手の基本プロフィール
引用元:ゴング格闘技
まずは基本情報から押さえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | エドポロキング |
| 生年月日 | 2001年2月8日(24歳)※2025年時点 |
| 出身地 | 大阪府 |
| 身長 | 203-204cm |
| 体重 | 約120-125kg |
| 所属 | ROOTS GYM(大阪) |
| 階級 | ヘビー級(93kg超級) |
| プロMMA戦績 | 3戦3勝(3KO/TKO) |
| 前職 | 高校球児(日体大柏高校) |
| 特技 | 50m走6.0秒、ベンチプレス150kg |
この数字を見ただけでも、彼が「規格外」であることが分かります。身長203cm、体重120kgという体格は、日本人格闘家としては極めて稀有です。さらに、この巨体でありながら50m走6.0秒という俊敏性を併せ持っています。
【ルーツ編】三つの血が生んだアスリートの奇跡
国際色豊かな家族背景
エドポロキング選手の強さの秘密を語る上で欠かせないのが、その国際色豊かなルーツです。ナイジェリア人の父、韓国人の母、そして日本で生まれ育った彼は、三つの国の文化と遺伝子を受け継いでいます。
ご両親ともに高身長であり、特に父親の身体能力の高さは注目に値します。ナイジェリアは陸上競技やサッカーなど、爆発的なパワーとスピードを兼ね備えたアスリートを数多く輩出している国です。一方、韓国は柔道やテコンドーなど格闘技の強豪国として知られています。
この二つの国の優れた身体能力を受け継ぎ、日本の格闘技文化の中で育ったエドポロキング選手は、まさに現代のグローバルアスリートの象徴と言えるでしょう。
「エドポロ兄弟」の遺伝子は本物だった
彼の身体能力が遺伝的なものであることを証明する事実があります。それは、実弟のエドポロケイン選手の存在です。
ケイン選手は大阪学院大学で野球選手として活躍し、2025年度NPBドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから2位指名を受けました。兄は格闘技界、弟はプロ野球界。異なるフィールドで、兄弟揃ってプロの世界に到達したのです。
引用元:日刊スポーツ
弟のケイン選手も身長190cm超、遠投120mという驚異的なスペックの持ち主です。「エドポロ兄弟」として、今後スポーツ界全体で注目を集めることは間違いありません。この事実は、彼らの身体能力が偶然ではなく、確かな遺伝的背景に裏打ちされていることを示しています。
【野球時代編】甲子園を沸かせたホームランバッター
日体大柏高校での輝かしい実績
エドポロキング選手が格闘技を始めたのは2022年。それまで彼は野球選手として青春を捧げていました。
幼少期から野球を始めた彼は、野球の名門日体大柏高校(千葉県)に進学。高校在学中には、通算28本塁打という驚異的な記録を打ち立てています。
28本塁打という数字がどれほど凄いのか、ピンと来ない方もいるかもしれません。高校野球では年間を通じて試合数が限られており、甲子園常連校であっても3年間で100試合前後が平均です。その中で28本塁打は、明らかにトップクラスの長距離砲であることを示しています。
実際、プロ野球選手の多くが高校時代の本塁打数は10本台です。20本を超える選手は将来のプロ候補として注目されるレベルです。エドポロキング選手は、まさにプロ注目株でした。
なぜプロ野球ではなく格闘技だったのか?
では、なぜプロ野球の道を選ばなかったのでしょうか?
彼自身のインタビューによると、その動機は「生まれ持ったフィジカルを試したい」という純粋な探究心でした。野球では「打つ」という一つの動作に特化しますが、総合格闘技では全身を使い、打撃・組技・寝技すべてを駆使します。
203cmの身長と120kgの体重、そして野球で培った瞬発力。これらすべてを総動員できる舞台として、彼は総合格闘技を選びました。
野球で磨いた体幹の強さ、スイングスピード(パンチ力)、動体視力、瞬間的な判断力は、すべて格闘技に活きています。特に、投球やバッティングで培った下半身の踏み込みは、パンチやキックの威力を生み出す基礎となっています。
【格闘技キャリア編】異例のスピード出世の軌跡
BreakingDownでの衝撃デビュー(2023年)
2022年に総合格闘技を始めたエドポロキング選手が、最初に注目を集めたのはBreakingDownでした。
BreakingDownは1分間の短期決着を狙う「喧嘩祭り」のような大会です。アマチュアや異業種からの参戦者も多く、ストリートファイト的な要素が強いイベントです。
2023年、エドポロキング選手は2大会に出場。舞杞維沙耶選手、松井健選手と対戦し、いずれも判定勝利を収めています。この時点で、格闘技経験わずか1年にも関わらず、彼のフィジカルが十分に通用することが証明されました。
Rumbleでのタイトル獲得とプロデビュー
さらに同年7月、名古屋を拠点とする格闘技イベントRumbleに出場。ヘビー級タイトルマッチで「侍マークハント」選手と対戦し、1ラウンドTKO勝利でタイトルを獲得しています。
そして運命の2024年5月26日。Rumbleにてプロデビュー戦が行われました。
対戦相手はテリー・ワガンダ選手。試合が始まると、エドポロキング選手は即座に距離を詰め、グラウンドに持ち込みます。そして、開始わずか15秒。グラウンドパンチによるTKO勝利という、電撃的なプロデビューとなりました。
15秒KO。この衝撃的な数字は、格闘技ファンの間で大きな話題となりました。「ヘビー級に現れた新星」として、一気に注目度が高まりました。
【RIZIN編】日本最高峰の舞台で証明した実力
RIZIN.49(2024年12月31日)|大晦日に刻んだ衝撃のKO劇
エドポロキング選手の名を全国に知らしめたのが、国内最大の格闘技イベントRIZINでの活躍です。
2024年12月31日、RIZIN.49。大晦日という格闘技界最大の舞台で、彼は元大相撲力士の貴賢神選手と対戦しました。
引用元:RIZIN FIGHTING FEDERATION オフィシャルサイト
貴賢神選手は体重150kg超の巨漢です。相撲で鍛えた押し相撲と巨体を活かした圧力が持ち味です。しかし、エドポロキング選手は臆することなく、距離を詰めて首相撲(相手の頭を抱え込む組み技)へ。
そこから、顔面への膝蹴りを決め、さらに左右のフックで追撃。レフェリーが止めに入り、1ラウンドKO勝利。日本中が注目する大晦日の大舞台で、圧倒的な強さを見せつけました。
「日本人ヘビー級対決」として注目されたこの試合で、彼は自分が次世代のエースであることを証明しました。
RIZIN.50(2025年3月30日)|トップファイターを圧倒
続く2025年3月30日、RIZIN.50では、実績あるベテラン酒井リョウ選手と対戦。
酒井選手はRIZINやDEEP JEWELSなど数々の舞台で実績を重ねてきた、実力派ファイターです。立ち技も寝技もこなせるオールラウンダーです。
しかし、エドポロキング選手はこの試合でも圧倒しました。マウントポジション(相手の上に馬乗りになる有利な体勢)を奪い、強烈なパウンド(上から打ち下ろすパンチ) を連打。2ラウンドTKO勝利を飾りました。
引用元:RIZIN FIGHTING FEDERATION オフィシャルサイト
プロデビューからわずか約1年。3戦3勝、すべてKO/TKOという完璧な戦績で、RIZINのトップファイターを次々と撃破していく姿に、誰もが「この選手は本物だ」と確信しました。
【フィジカル編】驚愕の身体管理と桁違いな生活
月数十万円を超える食費の真実
エドポロキング選手の規格外の肉体を維持するためには、並々ならぬ努力と環境が必要です。特に話題となっているのが、彼の食生活です。
メディアの取材によると、エドポロキング選手の1ヶ月の食費は数十万円を超えると報じられています。一般的な社会人の食費が3〜5万円程度であることを考えると、その桁違いぶりが分かります。
なぜこれほどの食費が必要なのか?答えは単純です。体重120kgの肉体を維持し、激しいトレーニングを続けるためには、大量の栄養が必要だからです。
特に重要なのがタンパク質です。筋肉を維持・成長させるためには、体重1kgあたり2〜3gのタンパク質が必要とされています。つまり、彼は1日あたり240〜360gのタンパク質を摂取している計算になります。
これは鶏胸肉換算で約1kg以上です。牛肉や魚、プロテインシェイクなど、質の高いタンパク源を大量に摂取する必要があります。
プロアスリートとしての徹底した自己管理
さらに、エドポロキング選手は食事だけでなく、睡眠、トレーニング、メンタルケアのすべてを徹底管理しています。
RIZIN公式YouTube『Preparation』での密着取材では、彼の日常が紹介されました。朝から晩まで、すべてが格闘家としての成長のために組み立てられています。
- 朝食後にロードワーク:有酸素能力と持久力の強化
- 午前中にウエイトトレーニング:筋力とパワーの維持・向上
- 午後に打撃・組技・寝技の練習:技術の磨き上げ
- 夜は栄養補給とリカバリー:筋肉の回復と成長
このルーティンを毎日繰り返しています。24歳という若さでありながら、プロ意識の高さは並外れています。彼の肉体は、まさに「努力と投資で作り上げた芸術作品」と言えるでしょう。
【戦績分析編】なぜ全試合KO/TKOなのか?
圧倒的なフィジカルアドバンテージ
エドポロキング選手の最大の武器は、やはり規格外のフィジカルです。
身長203cm、リーチ(腕の長さ)も200cm以上と推測されます。これは相手が彼に触れる前に、彼のパンチが届くことを意味します。さらに、体重120kgという重量は、パンチやキックに乗せられる運動エネルギーを飛躍的に高めます。
物理的に考えても、120kgの巨体が全力で放つパンチは、80kg級の選手とは比較にならない破壊力を持ちます。対戦相手からすれば、「避けなければ終わる」という極限のプレッシャーの中で戦わなければなりません。
野球で培った反射神経とタイミング感覚
さらに、彼の強さを支えているのが野球で培った反射神経です。
野球は「動体視力」「反射神経」「タイミング」がすべてのスポーツです。時速150kmのボールを0.4秒でバットに当てる能力は、格闘技における「相手の動きを読み、カウンターを合わせる能力」に直結します。
実際、彼の試合を見ると、相手のパンチを巧みにかわし、カウンターで仕留めるシーンが多く見られます。巨体でありながら、動きは機敏です。このギャップが、相手を翻弄します。
課題は「寝技」?榊原CEOの指摘
ただし、完璧な選手というわけではありません。RIZIN榊原信行CEOは、エドポロキング選手について「まだ寝技に課題がある」と指摘しています。
総合格闘技は、打撃・組技・寝技すべてが求められる競技です。現在のところ、彼の試合は早期決着が多く、寝技の実力は未知数です。今後、柔術や寝技のスペシャリストと対戦する機会があれば、その真価が問われるでしょう。
しかし、逆に言えば「伸びしろがまだまだある」ということです。寝技を磨けば、さらに恐ろしい選手になる可能性を秘めています。
エドポロキングについて知りたい7つのこと
Q1. エドポロキング選手の本名は?国籍は?
A. 本名は「エドポロキング」です。ナイジェリア人の父、韓国人の母を持ち、日本で生まれ育ちました。国籍は日本と推測されますが、公式には明言されていません。「エドポロ」は名字、「キング」が名前と考えられます。
Q2. 身長203cmは日本人格闘家として最大級ですか?
A. はい、日本人(またはルーツを持つ)格闘家としては最大級です。過去にはボブ・サップ選手(200cm)、ホンマン選手(218cm、韓国人)などがいましたが、日本国籍を持つ選手としては極めて稀な体格です。身長200cm超で、かつ50m走6.0秒という俊敏性を兼ね備えた選手は世界的にも貴重です。
Q3. 野球から格闘技に転向した理由は?後悔していない?
A. 公式インタビューによると、「生まれ持ったフィジカルを試したい」という純粋な動機です。野球では打撃という一つの技術に特化しますが、総合格闘技では全身のすべてを使います。後悔については公言されていませんが、プロとしてわずか1年で日本トップレベルに到達したことから、正しい選択だったと言えるでしょう。
Q4. 弟のエドポロケイン選手とは仲が良い?
A. SNSでの投稿などから、兄弟仲は非常に良好と推測されます。お互いにプロアスリートとして、良きライバル・良き理解者として支え合っている様子が伺えます。兄・キング選手がRIZINで戦う姿を、弟・ケイン選手が観戦に訪れることもあります。
Q5. RIZINでの次の試合予定は?ヘビー級GPに出場する?
A. (※2025年4月時点の情報)次戦の正式発表はまだありません。ただし、榊原CEOは「現時点でヘビー級GPへの出場は考えていない」と発言しています。理由は「まだ寝技に課題がある」とのことです。今後、さらに実績を積み、技術を磨いた上でのGP参戦が期待されます。最新情報はRIZIN公式サイトをご確認ください。
Q6. エドポロキング選手の強さの秘密は?
A. 以下の要素が組み合わさっています。
- 遺伝的な身体能力:ナイジェリア×韓国×日本のルーツ
- 野球で培った反射神経と体幹:28本塁打を放った運動能力
- 徹底した食事管理:月数十万円をかける栄養摂取
- 若さと成長速度:24歳でまだまだ伸びしろがある
- プロ意識の高さ:毎日のトレーニングと自己管理
これらすべてが揃った結果、わずか2年でトップファイターになりました。
Q7. 「エドポロ」って変わった名前ですが、由来は?
A. 正式な由来は公表されていませんが、「エド」はナイジェリアやアフリカ系の名前に多く見られます(例:Edozie、Eduardoなど)。「ポロ」は韓国語の名前に由来する可能性があります。「キング」は英語で「王」を意味し、おそらくご両親が「王者になれ」という願いを込めて名付けたと推測されます。国際色豊かな家族背景を象徴する、唯一無二の名前です。
【今後の展望】世界の舞台を見据える存在
日本ヘビー級の未来を背負う若きエース
日本の総合格闘技界において、ヘビー級は長年「不毛の地」と言われてきました。理由は単純で、体格面で欧米や東欧の選手に太刀打ちできないからです。
しかし、エドポロキング選手の登場は、この常識を覆す可能性を秘めています。身長203cm、体重120kgという体格は、世界のヘビー級選手と比較しても決して見劣りしません。むしろ、日本人選手として初めて「フィジカルで世界と戦える」可能性を持った選手と言えます。
UFCや世界大会への道は開けるか?
格闘技の最高峰と言えば、やはりUFC(Ultimate Fighting Championship)です。世界中のトップファイターが集う舞台で、エドポロキング選手がどこまで戦えるか。多くのファンが期待を寄せています。
ただし、世界を目指すにはまだ課題もあります。前述の通り、寝技のレベルアップは必須です。さらに、海外の強豪選手はレスリングや柔術のバックグラウンドを持つ選手が多く、組技での攻防は日本以上に激しくなります。
しかし、彼はまだ24歳です。格闘家としてはキャリアの入り口に立ったばかりです。ここから5年、10年とキャリアを積めば、世界で通用する選手になる可能性は十分にあります。
弟・ケイン選手との「エドポロ兄弟」物語
もう一つ注目したいのが、弟・エドポロケイン選手との「エドポロ兄弟」物語です。
兄・キング選手はRIZINで、弟・ケイン選手はプロ野球で。それぞれの舞台で頂点を目指す二人の物語は、多くの人に夢と希望を与えています。
「エドポロ兄弟」という名前が、今後スポーツ界全体でブランドになる日も近いかもしれません。兄弟揃ってCMや番組に出演する姿も、想像に難くありません。
まとめ:日本格闘技界の希望、その名はエドポロキング
エドポロキング選手は、恵まれた身体能力と野球で培った運動神経、そして徹底したプロ意識を武器に、わずか2年で日本ヘビー級のトップファイターへと駆け上がりました。
プロデビューからわずか1年で3連勝、しかも全試合KO/TKOという圧倒的な強さは、日本格闘技界に新たな可能性を示しています。身長203cm、体重120kgという規格外の体格を持ちながら、50m走6.0秒という俊敏性を兼ね備えた彼の存在は、まさに「奇跡」と呼ぶにふさわしいでしょう。
弟のケイン選手とともに「エドポロ兄弟」として各界で活躍する姿は、多くのファンに夢と希望を与えています。まだ24歳で、伸びしろは計り知れません。
次戦の発表が待たれる中、彼がどこまで成長し、世界の舞台でどんな活躍を見せるのか。日本格闘技界の未来を担う存在として、目が離せません。
大晦日、あなたがテレビの前でRIZINを見るとき。リングに立つ203cmの巨人が、相手を一撃で沈める瞬間を、きっと目撃するでしょう。その名は、エドポロキング。日本格闘技界の新時代は、もう始まっています。
参考情報・関連リンク
公式情報
- RIZIN公式サイト:https://jp.rizinff.com/
- ROOTS GYM公式:(所属ジム、最新情報はSNSで確認可能)
- 日刊スポーツ:https://www.nikkansports.
プロ野球関連(弟・ケイン選手)
- 北海道日本ハムファイターズ公式:https://www.fighters.co.jp/
- NPB(日本野球機構):https://npb.jp/
メディア・試合情報
- eFight(格闘技専門メディア):https://efight.jp/
- ゴング格闘技:https://gonkaku.jp/




