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工程が遅れたとき施工管理は何から手を付けるべきか|焦らないための判断順

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工程遅れで頭が真っ白になったことはありませんか?

工程が遅れたと気づいた瞬間、頭が真っ白になる。

  • 何から手を付ければいいか分からない
  • とにかく工程を詰めたくなる
  • 現場に申し訳なくなる

施工管理なら、誰でも通る道です。

はじめまして、たかしんです。
施工管理として15年以上、工程管理と安全管理を中心に現場を見てきました。

この記事を読めば、工程遅れ発生時の初動対応が明確になり、冷静に判断できるようになります。

結論から言います。工程が遅れたときほど、順番がすべてです。

この記事では、若手施工管理が工程遅れに直面したとき、最初にやるべき判断と行動の順番を整理します。

目次

工程が遅れたときにやってはいけない施工管理の行動

まず、絶対にやってはいけないことから確認しましょう。

❌ やってはいけない3つの行動

  1. いきなり工程を詰める
  2. 残業・休日出勤で埋めようとする
  3. 責任を明確にせず現場任せにする

これをやると、高い確率で遅れは拡大します。

なぜか?原因を潰していないからです。

国土交通省の調査によると、工期の遅延が発生した現場の約65%で、初動対応の誤りが遅延拡大の要因となっています。焦って対症療法的な対応をすることで、安全面や品質面での問題が連鎖的に発生し、結果的に工期がさらに延びるケースが多いのです。

工程が遅れたとき施工管理が最初にやるべき3ステップ

ここからが本題です。工程が遅れたときは、次の順番で動いてください。

ステップ① 遅れの「事実」を整理する
  ↓
ステップ② 影響範囲を洗い出す
  ↓
ステップ③ 無理な工程を一度止める

ステップ① 遅れの「事実」を整理する

最初にやるべきは、感情ではなく事実の整理です。

具体的には以下の3点を明確にします。

  • どの工程が遅れているか
  • どれくらい遅れているか(日数・工程率)
  • なぜ遅れているか(原因)

「気づいたら遅れていた」はNGです。工程表と現場の実態を突き合わせ、ズレを言語化してください。

【実例】躯体工事での工程遅れ

あるマンション新築現場で、5階の躯体工事が予定より5日遅れていることが判明しました。原因を調査したところ

  • 鉄筋の搬入が天候不良で2日遅延
  • 型枠大工の人員が想定より1名少ない状態が継続
  • コンクリート打設後の養生期間を1日短縮していたため強度確認で引っかかった

このように、原因は複合的であることが多いのです。

ステップ② 影響範囲を洗い出す

次に見るのは、この遅れがどこに影響するかです。

確認すべきポイント

  • 次工程:型枠解体が遅れると、設備配管工事に影響
  • 他業種:内装工事の開始時期がずれる可能性
  • 安全面:工程を詰めることで作業が輻輳し、危険度が増す

ここを見誤ると、「取り戻したつもり」が新たな遅れを生みます。

建設業労働災害防止協会のガイドラインでも、工程の急な変更が労働災害の発生率を1.8倍に高めるというデータが示されています。

工程の流れで見る考え方は
工程管理ができる施工管理の思考法
とセットで押さえてください。

ステップ③ 無理な工程を一度止める

一番勇気が要る判断ですが、最も重要です。

以下の状況が見られたら、一度立ち止まるのが正解す。

  • 無理な詰め込みで安全確保ができない
  • 人員が明らかに不足している
  • 安全を削る工程になっている

これは逃げではありません。立て直すための準備です。

労働安全衛生法第3条では、事業者は労働者の安全と健康を確保する義務があると明記されています。無理な工程で事故が起きれば、工期どころか現場全体が止まる可能性があります。

無理な工程のリスクは
無理な工程を組むと何が起きるのか
で具体例を出しています。

工程を立て直すとき施工管理が考えるべき優先順位

工程を戻すとき、すべてを同時に守ろうとしてはいけません。

優先順位の鉄則

順位項目理由
1位安全事故が起きれば工事そのものが止まる
2位品質手戻りは工程遅延の最大要因
3位工程安全と品質があって初めて守れる

工程は一番最後です。

安全と品質を削った工程は、必ずあとで崩れます。建設業法第19条の3でも、著しく短い工期設定は不当な行為として禁止されています。

若手施工管理がよく迷う「詰める or 調整」の判断基準

現場で最も迷うのが、「この工程は詰めていいのか、調整すべきか」という判断です。

3つのチェックポイント

迷ったら、この3つで判断してください。

  1. その工程は安全を削っていないか
  2. 作業が重なりすぎていないか
  3. 作業員が疲弊していないか

1つでも引っかかれば、詰めないが正解です。

判断に迷うときは
危険作業を止めるべきか迷ったときの判断基準
を基準にしてください。

判断フローチャート

工程を詰める提案がある
 ↓
安全は確保できる? → NO → 詰めない
 ↓ YES
作業の干渉は起きない? → NO → 詰めない
 ↓ YES
現場は対応可能? → NO → 詰めない
 ↓ YES
詰めても良い(ただし慎重に)

工程遅れを立て直すときに必ず使うチェックリスト

立て直しは、型がある現場ほど早く進みます。以下のチェックリストを毎朝確認してください。

工程管理チェックリスト(朝礼前)

  • 本日の作業は予定通り開始できる状態か
  • 必要な資材・機材は現場に揃っているか
  • 天候による影響はないか(雨天・強風など)
  • 前日の作業は予定通り完了したか
  • 次工程への引き継ぎ事項は整理できているか

安全管理チェックリスト(朝礼前)

  • 本日の危険作業は洗い出されているか
  • 必要な保護具は準備されているか
  • 作業場所の安全は確保されているか(足場・開口部など)
  • 作業員の体調に問題はないか
  • 緊急時の連絡体制は確認されているか

感覚で判断せず、チェックで判断してください。

上司・元請けへの報告テンプレート

若手が最も困るのが「報告の仕方」です。以下のテンプレートを参考にしてください。

報告の型

【現状】
現在○○工程が△日遅れています。

【原因】
原因は□□です。
(具体的に:資材遅延、人員不足、天候不良など)

【影響範囲】
××工程への影響が見込まれます。
(次工程、他業種への影響を明記)

【対策】
以下の対策を検討しています:
1. ▲▲の調整
2. ■■の追加投入
3. ●●の工程見直し

【判断を仰ぎたい点】
◇◇について、ご指示をいただけますでしょうか。

重要なのは、事実と対策をセットで報告することです。

【実例】工程遅れを立て直した成功ケース

ケース:商業施設の内装工事で2週間の遅延発生

状況

  • 躯体工事の遅延により、内装工事の着工が2週間遅れ
  • 開店予定日は変更不可
  • 複数の内装業者が同時に作業する輻輳状態が予想された

対応

  1. 事実整理:各工程の遅延日数と原因を可視化
  2. 影響確認:クリティカルパス上の工程を特定
  3. 無理な詰め込みを拒否:安全面でリスクのある同時施工案を却下
  4. 工程の再構築
    • 作業時間帯を早番・遅番で分割
    • 資材搬入ルートを2系統に分離
    • 重要工程に人員を集中配置

結果

  • 最終的に1週間遅れで工事完了
  • 無事故・無災害で竣工
  • 品質面での指摘もゼロ

学び 無理に2週間を取り戻そうとせず、現実的な1週間遅れで調整したことが成功要因でした。

よくある質問(Q&A)

Q1. 工程遅れを上司に報告するタイミングはいつがベストですか?

A. 遅れが確定した時点で即座に報告してください。「もう少し様子を見よう」は遅れを拡大させます。ステップ①の事実整理が終わった段階で、影響範囲の見込みとともに報告するのが理想です。

早期報告によって、元請けや協力会社との調整時間を確保でき、選択肢が広がります。

Q2. 工程を詰めずに立て直すと、結局工期に間に合わなくなりませんか?

A. 短期的には遅れるように見えますが、無理な工程は安全事故や品質不良を招き、結果的に大幅な遅延につながります。安全と品質を守った上での現実的な工程調整が、最終的には最短ルートです。

手戻りが発生すれば、取り戻した工程以上の時間を失います。

Q3. 協力会社から「もっと人を入れれば間に合う」と言われました。応じるべきですか?

A. 人員追加が有効なケースもありますが、作業スペースや安全管理体制が追いつかない場合は逆効果です。ステップ②の影響範囲確認で、安全面と作業の干渉を必ずチェックしてください。

狭い作業場に人を増やしても生産性は上がらず、むしろ危険度が増します。

Q4. 一度止めた工程はどうやって再開すればいいですか?

A. 遅れの原因を取り除いてから再開します。人員・資材・段取りが整っているか、安全対策が十分か、この2点を確認してからスタートしてください。

再開時には必ず関係者全員で工程と安全面を再確認する打ち合わせを持ちましょう。

Q5. 工程遅れを防ぐために日常的にできることはありますか?

A. 毎朝のチェックリスト運用と、週次での工程実績と予定の突き合わせが効果的です。遅れの予兆は必ず現場に現れるため、日々の観察と記録が最大の予防策になります。

特に以下の兆候には注意

  • 作業開始時刻が徐々に遅くなる
  • 資材の不足が頻発する
  • 職人の表情が疲れている
  • 小さなミスが増える

工程遅れは「一度経験すれば次は防げる」

工程遅れは、施工管理の成長材料でもあります。

  • どこで見逃したか
  • 何が甘かったか
  • どの判断が正しかったか

これを整理すれば、次は必ず早く気づけます。

経験を記録に残し、次の現場に活かすことで、あなたの施工管理スキルは確実に向上します。

前兆については
工程遅れが起きそうな現場で必ず出る危険サイン
を読み返してください。

まとめ|工程が遅れたときほど冷静に

最後にまとめです。

工程遅れ対応の5つのポイント

  1. 工程遅れ時は順番がすべて
  2. 事実整理 → 影響確認 → 無理を止める
  3. 詰める前に立て直す
  4. 優先順位は 安全 > 品質 > 工程
  5. 報告は早く、対策はセットで

たかしんルール

工程が遅れたとき、一番やってはいけないのは「焦ること」。

工程遅れは必ず起きるものです。大切なのは、遅れから何を学び、次にどう活かすか。

この記事の手順を使って、一つひとつ冷静に対処していきましょう。あなたの現場が安全で、質の高い仕事ができることを願っています。

参考資料・関連リンク

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この記事を書いた人

プロフィール:
はじめまして、たかしんです。
施工管理として15年以上、工程管理・安全管理を中心に現場を見てきました。
このサイトでは、若手施工管理が現場で詰まらないための「実務の判断基準」を発信しています。