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工程会議で何を見ている?工程管理ができる施工管理のチェック視点

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工程会議に出ていて、こんな悩みはありませんか?

工程会議に参加していて、

  • 何を見ればいいか分からない
  • ただ進捗を聞くだけで終わる
  • 会議が終わっても何も変わらない
  • 自分が発言していいのか迷う

こんなふうに感じたことはありませんか?

はじめまして、たかしんです。
施工管理として10年以上、工程管理と安全管理を中心に現場を見てきました。

結論から言います。
工程会議は「報告を聞く場」ではありません。
“ズレを見つける場”です。

この記事では、
工程管理ができる施工管理が
工程会議で実際に見ているポイント
若手向けに整理します。

📌 この記事で得られること

  • 工程会議で本当にチェックすべき3つの視点
  • 問題を早期発見するための具体的な質問例
  • 会議後すぐに実践できる行動リスト
  • 工程遅れを未然に防ぐ思考法

目次

1. 工程会議が形だけになってしまう理由

多くの現場で、工程会議はこうなっています。

  1. 工程表を読み上げる
  2. 「問題ありません」で終了
  3. 次の工程へ

⚠️ これでは工程管理はできません。

なぜ形だけの会議になるのか?

理由は明確です。工程会議で見るべきは「結果」ではなく「過程」だからです。

「工程表通りに進んでいます」という報告は、あくまで予定と実績の比較でしかありません。本当に見るべきは、

  • その工程を実現するための人の動き
  • 作業と作業のつながり方
  • 計画に無理がないか

これらを確認せずに会議を終えると、問題が表面化したときには既に手遅れになっているのです。

2. 工程管理ができる施工管理が工程会議で見ている3つの視点

ここからが本題です。工程会議では、次の3つの視点だけを意識して見てください。

視点① 人の動きが無理なくつながっているか

まず見るべきは、作業内容より「人の動き」です。

チェックポイント

  • 人数は足りているか
    計画上の必要人数と実際の配置人数を確認
  • 待ち時間が出ていないか
    前工程の遅れで手待ちになる作業員はいないか
  • 無理な掛け持ちになっていないか
    一人が複数の作業を同時に担当していないか

💡 具体的な質問例

悪い質問:「明日の作業は予定通りですか?」

良い質問:「明日の型枠工事に入る予定の5名は確保できていますか?前工程の配筋検査が終わっていないと入れないと思うのですが、検査のスケジュールも教えてください」

⚠️ なぜ人の動きが重要なのか

人が詰まる工程は、手待ち時間が発生して作業効率が30〜50%低下します。一人でも人員が不足すると、その工程だけでなく後続の工程全体に影響が連鎖していきます。

「工程遅れが起きそうな現場の危険サイン」でも紹介したポイントですが、人の流れがスムーズかどうかが工程管理の最重要チェック項目です。

視点② 作業が重なりすぎていないか

工程会議でよくあるのが、

  • 同じ場所で複数の作業が計画されている
  • 別業種が同時に入る予定になっている

⚠️ 作業が重なるほど、工程も安全も崩れます。

作業輻輳が引き起こす問題

問題具体的な影響
作業効率の低下作業スペースの取り合い、動線の混雑
段取りミスの増加材料の搬入順序ミス、工具の取り違え
危険作業の増加上下作業の発生、狭い場所での作業増加
コミュニケーション不足作業指示が不明確になり、手戻りが発生

💡 具体的な質問例

悪い質問:「明日は何人入りますか?」

良い質問:「明日は3階で電気配線と設備配管が同時に入る予定ですが、作業エリアは分けられていますか?干渉する部分はありませんか?」

参考データ

国土交通省のガイドラインでは、適正な工期設定により労働災害リスクが低減され、工程遅延も防げることが示されています。特に作業が輻輳する工程では、余裕を持った計画が推奨されています。

この関係は「無理な工程を組むと何が起きるのか」でも詳しく解説しています。

視点③ 無理な工程を「気合」で通そうとしていないか

工程会議で出てくる危険な言葉があります。

  • 「何とかします」
  • 「気合でいけます」
  • 「残業で対応します」

⚠️ この言葉が出た時点で、工程は黄色信号です。

なぜ「気合」では工程が守れないのか

「気合」や「残業」に頼った工程計画は、以下のような悪循環を生みます。

  1. 作業員の疲労蓄積
  2. 集中力低下による品質・安全リスク増加
  3. 事故やミスの発生
  4. 工事中断
  5. 大幅な工程遅れ

実際、厚生労働省の労働災害統計によると、建設業における死傷災害件数は年間約1万5千件に上り、災害発生時には工事が中断され、復旧までに相当な時間を要します。

💡 この言葉が出たときの対応

悪い対応:
「分かりました、よろしくお願いします」(問題を先送り)

良い対応:
「具体的にどう対応する計画ですか?人員の追加は可能ですか?それとも作業手順を見直しますか?無理なら工程自体を調整しましょう」

⚠️ 2024年4月からの法規制

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されており、工程計画時から残業時間を考慮した実現可能な計画立案が求められています。「残業で何とかする」は、もはや法的にも現実的ではありません。

工程管理ができる施工管理は、この言葉を聞いた瞬間に立ち止まり、一緒に解決策を考えます。協力業者を責めるのではなく、元請として一緒に解決する姿勢が何より重要です。

3. 工程会議でやってはいけない3つの行動

若手施工管理が誰もが一度は経験する、改善すべき行動パターンです。私自身も全て経験しました。

NG① 工程表だけ見て安心する

よくある思考パターン
「工程表通りだから大丈夫だろう」

⚠️ 実際の現場
工程表どおりでも、現場はズレていることがあります。

工程表と現場がズレる典型例

  • 工程表:「鉄筋工事 完了」
  • 現場実態:「80%完了、残り20%は明日」
  • 翌日:「材料が足りず作業中断」

💡 改善アクション

工程表は確認材料の1つに過ぎません必ず以下もセットで確認してください。

  • 実際の現場進捗(目視確認)
  • 次工程に必要な材料の納入状況
  • 検査・承認のスケジュール

NG② 問題点をその場で流す

よくある発言

  • 「後で対応します」
  • 「現場で調整します」
  • 「追って連絡します」

⚠️ これは「対応しない宣言」と同じです。

工程会議で出た問題は、工程会議で方向性を決める。これが鉄則です。

💡 改善アクション

問題が出たら、その場で以下を明確にする。

  1. 誰が対応するのか(担当者の明確化)
  2. いつまでに対応するのか(期限の設定)
  3. どう対応するのか(方法の確認)

そして必ず議事録に記載し、次回の会議で進捗確認する流れを作りましょう。

NG③ 安全の話を後回しにする

よくある優先順位

  1. 工程が最優先
  2. 安全は現場任せ
  3. 問題が起きてから対応

⚠️ この現場は、ほぼ確実に工程が崩れます。

なぜ安全を後回しにすると工程が崩れるのか

工程を急ぐあまり安全確認を省略すると、こうなります。

  1. 安全対策の不備
  2. 労働災害の発生
  3. 工事の全面中断
  4. 行政指導・改善命令
  5. 大幅な工程遅延(平均7〜14日)

工程と安全は必ずセットです。

💡 改善アクション

工程会議では、必ず以下をセットで確認

  • 明日の作業内容
  • 作業に伴う危険要因
  • 安全対策の実施状況

安全管理チェックリスト」と必ずセットで確認してください。

4. 工程会議後に若手施工管理が必ずやるべきこと

工程会議は、終わってからが本番です。

若手施工管理は以下を必ず実施してください。

① 今日・明日の工程を再整理

会議で決まった内容を、すぐに整理します。

整理する項目

  • 明日の作業内容と担当業者
  • 必要人数と実際の配置人数
  • 材料の納入予定と在庫状況
  • 検査・立会のスケジュール

② 無理な部分を洗い出す

会議では「問題ない」と言っていても、冷静に見直すと無理がある場合があります。

チェック項目

  • 人数は本当に足りるか?
  • 作業スペースは確保できるか?
  • 前工程は本当に終わるか?

③ 現場で再確認

翌朝、現場に出たら必ず以下を確認

  • 作業員の配置状況
  • 材料の搬入状況
  • 安全対策の実施状況

💡 実践ツール

このとき使うのが「工程管理チェックリスト|朝一で確認すべきポイント」です。

5. 工程会議で見える「遅れの前兆」

工程会議をしっかり見ていると、工程遅れの前兆が見えてきます。

危険サイン①:話がかみ合わない

具体例

  • 質問に対して曖昧な回答が多い
  • 「多分」「たぶん」「おそらく」が頻発
  • 質問の意図とズレた回答

⚠️ これは情報が整理できていない証拠です。

危険サイン②:曖昧な回答が増える

具体例

  • 「何とかなります」
  • 「調整中です」
  • 「確認します」

⚠️ 裏を返せば「決まっていない」「把握していない」という意味です。

危険サイン③:会議の空気が重い

具体例:

  • 発言が少なくなる
  • 目線が合わない
  • 報告が短くなる

⚠️ 何か問題を抱えている可能性が高いです。

💡 対応方法

これらのサインを感じたら、会議後に個別で話を聞きましょう。全体の場では言いにくいことも、1対1なら話してくれることがあります。

詳しくは「工程遅れが起きる現場の共通点」もあわせて読んでください。

6. よくある質問Q&A

Q1: 工程会議は週に何回開催すべきですか?

A: 現場規模にもよりますが、一般的には週1回が標準です。

ただし、工期が厳しい現場や複数業種が輻輳する時期は、週2〜3回の短時間ミーティングに切り替えることも有効です。重要なのは頻度よりも「問題の早期発見」ができる体制です。

小規模現場では毎朝の朝礼で簡易的な工程確認を行い、週1回の正式会議で詳細を詰めるパターンが効率的です。

Q2: 協力業者が「問題ない」と言い張る場合、どう対応すればいいですか?

A: 「問題ない」という言葉の裏を具体的に確認しましょう。

具体的な質問例

  • 「では明日の作業人数と配置を教えてください」
  • 「材料の納入日は確定していますか?納品書はありますか?」
  • 「前工程の検査は通っていますか?」

このように事実ベースで質問すると、曖昧な部分が見えてきます。

⚠️ 大切な姿勢

追い詰めるのではなく、一緒に解決する姿勢が何より重要です。「問題を見つけるため」ではなく「一緒に良い現場を作るため」という意識で接しましょう。

Q3: 若手でも工程会議で発言していいのでしょうか?

A: むしろ積極的に発言すべきです。

ただし、発言の仕方にコツがあります。

❌ 悪い発言:
「この工程は無理だと思います」(否定から入る)

⭕ 良い発言:
「この部分の人数配置が気になるのですが、確認させてください」(確認型で入る)

現場を最も見ているのは若手です。あなたの気づきが工程遅れを防ぐことも多いのです。

💡 最初の一歩

まずは「質問する」ことから始めましょう。質問は誰にでもできる、最も安全な発言方法です。

Q4: 工程会議の議事録は誰が作成すべきですか?

A: 若手施工管理が作成するのが一般的で、育成の観点からも推奨されます。

議事録作成を通じて、以下の力がつきます。

  • 何が決まり何が未解決かを整理する力
  • 工程全体の流れを把握する力
  • 問題点を見つける力

ただし、作成後は必ず上司にチェックしてもらい認識のズレを防ぎましょう。

議事録に必ず記載すべき項目

  • 出席者
  • 決定事項(誰が・いつまでに・何をするか)
  • 未解決事項と次回確認事項
  • 工程変更の有無

Q5: 元請と協力業者で工程認識が食い違う場合の対処法は?

A: 工程会議の場で必ず認識をすり合わせ、書面で残すことが鉄則です。

具体的な対応手順

  1. その場で確認を取る
    「では○月○日に□□作業で○名配置、この理解で相違ないですね?」
  2. 全員の前で合意形成する
    「皆さん、今の内容で問題ありませんか?」
  3. 議事録に明記する
    決定事項として記録し、全員に共有
  4. 次回会議で進捗確認
    「前回決定した○○の件、進捗を教えてください」

⚠️ 「言った・言わない」を防ぐ

口頭だけの約束は必ずトラブルになります。書面(議事録や工程表のメモ)で残すことが、円滑な工程管理の基本です。

7. まとめ|工程会議は工程管理の最大のチャンス

最後にまとめです。

工程会議で意識すべき4つのポイント

  1. 工程会議は報告の場ではない
    → 問題の芽を見つける場
  2. 人の動き・作業の重なりを見る
    → 工程表より現場の実態を重視
  3. 無理な工程を見逃さない
    → 「気合」「残業」は黄色信号
  4. 会議後の動きが最も重要
    → 決めたことを確実に実行・確認

明日から実践できる3ステップ

ステップ1(会議中)
3つの視点(人・重なり・無理)を意識して聞く

ステップ2(会議直後)
決定事項と疑問点を整理する

ステップ3(翌朝)
現場で実際の状況を確認する

たかしんからのメッセージ

工程会議は工程表を見る場ではなく、現場の”無理”を先に潰す場です。

明日からの工程会議で、ぜひ今日紹介した3つの視点を意識してみてください。

最初は「これって無理じゃないか?」と気づくだけで十分です。その小さな気づきが、工程遅れを防ぎ、安全な現場をつくる第一歩になります。

私も若手の頃は、工程会議で何を発言すればいいか分からず黙っていました。でも、「質問する」ことから始めたことで、少しずつ工程管理の視点が身についていきました。

あなたも焦る必要はありません。一つずつ、確実に積み重ねていきましょう。

関連リンク・引用元

本記事は以下の公的機関の情報を参考にしています。

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この記事を書いた人

プロフィール:
はじめまして、たかしんです。
施工管理として15年以上、工程管理・安全管理を中心に現場を見てきました。
このサイトでは、若手施工管理が現場で詰まらないための「実務の判断基準」を発信しています。